介護業界関連コラム
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介護テクノロジー導入の前に知っておくべきこと ~其の4~
Wi-Fiの耐用年数は何年?故障時に職員が見るべき“3つのポイント”とは
介護施設でテクノロジー機器を活用するうえで、Wi-Fiは「空気のような存在」です。
普段は意識されませんが、ひとたび不調になると、記録・インカム・見守りセンサーなど、あらゆる業務が止まってしまいます。
しかし現場では、次のような誤解がよく見られます。
「Wi-Fi機器は10年以上使えるんでしょ?」
「壊れたら再起動すれば直るはず」
「職員が触ると壊しそうで怖い」
本コラムでは、介護事業者が押さえておくべきWi-Fi機器の耐用年数と、故障時に現場職員が確認できるポイントを解説します。
1.Wi-Fiアクセスポイントの耐用年数は「5〜7年」が目安
Wi-Fiアクセスポイント(AP)は精密機器です。減価償却上は耐用年数5年とされています。
● 実際の運用では「7〜10年」使えることもある
ただし、パソコンと同じで、5年を過ぎたら必ず壊れるわけではありません。
丁寧に使えば7〜10年動くケースもあります。
● しかし「20年は絶対に無理」
電子部品の劣化、熱による負荷、規格の進化などを考えると、20年使い続けることは不可能です。
● 企画(Wi-Fi規格)の進化も重要
Wi-Fiは数年ごとに新しい規格が登場します。
・2.4GHz/5GHz
・Wi-Fi 5 → Wi-Fi 6 → Wi-Fi 7
など、規格が進化すると、古い機器では新しいテクノロジー機器に対応できません。つまり、機器の寿命だけでなく、規格の寿命も考慮する必要があります。
2.入れ替え費用は「初期導入の半額〜3分の2」が目安
APの入れ替えは、初期導入ほどの大規模工事にはなりません。
● 配線はそのまま使える
初期導入時に敷設したLANケーブルや配管は再利用できます。
● 必要なのは
・新しいAP本体
・取り付け工事
・設定の再構築(VLANなど)
これらを含めると、 初期導入の半額〜3分の2程度が目安となります。
3.故障時に職員が確認すべき“3つのポイント”とは
Wi-Fiトラブルが起きたとき、現場職員ができることは限られています。しかし、次の3つを確認するだけで、原因の切り分けが大きく進みます。
① アクセスポイントのランプ(LED)を見る
APのランプは、機器の状態を示す重要なサインです。
・正常:青や緑で点灯
・異常:赤点滅、消灯、見慣れない色
・消灯:電源が入っていない可能性
まずは「ついているか」「異常色がないか」を確認します。
② 電源の確認(PoE or コンセント)
APの電源は2種類あります。
● PoE給電(LANケーブルで電力供給)
・LANケーブルが抜けている
・スイッチ側の電源が落ちている
などが原因になります。
●コンセント給電
・コンセント抜け
・タップのスイッチOFF
など、単純な原因が多いです。
③ 再起動(電源を一度抜いて挿す)
再起動は最も簡単で効果的な対処です。
・PoEならLANケーブルを一度抜く
・コンセントなら電源を抜いて挿す
再起動で直るケースは非常に多く、 現場でできる最も安全な対応です。
4.職員が“やってはいけないこと”
逆に、次の行為は絶対に避けるべきです。
・APの設定画面を触る
・LANケーブルを大量に抜き差しする
・スイッチ(機械)側の設定を変更する
・配線を勝手に移動する
これらはネットワーク全体を止める可能性があり、現場で触るべき領域ではありません。
5.Wi-Fiは「介護DXの土台」だからこそ、計画的な更新が必要
介護施設のWi-Fiは、 見守りセンサー、インカム、記録、入居者のスマホなど、あらゆる機器の“生命線”です。
だからこそ、
・耐用年数を理解する
・計画的に更新する
・故障時のチェックポイントを共有する
・現場で触る範囲を明確にする
これらを徹底することで、 介護テクノロジー導入の安定性が大きく向上します。
次回のコラムでは、ネットワークを分離する重要性(業務・センサー・利用者Wi-Fiの共存)について解説します。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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