介護業界関連コラム
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生産性向上推進体制加算における委員会と議事録作成ポイント
令和8年度の処遇改善加算、そして「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」では、生産性向上推進体制加算の取得が賃上げ額に直結する仕組みになりました。
生産性向上推進体制加算を取得
→処遇改善加算+7,000円/月
→賃上げ支援事業+5,000円/月
このため、今年度は例年以上に多くの事業所が加算取得を目指すことになります。
1.加算取得のポイントは「委員会」と「議事録」
生産性向上推進体制加算の算定要件は複数ありますが、もっとも注意しなければならない点は“委員会の開催と議事録の不備” です。
実際に3か月に1回以上委員会を開催し議事録を作成していても返戻となった事例があります。
つまり、
・委員会を開催しているだけではダメ
・議事録に“書くべき内容”が書かれていないと返戻になる
ということです。
2.委員会の基本要件(全事業所共通)
①幅広い職種が参加(介護職・看護職・ケアマネ・ユニットリーダーなど)
→ ケアに関わる職種が複数参加していること。
② 3か月に1回以上の開催
→ 年4回は必須。オンライン開催も可。
③ 業務効率化で生まれた時間は「ケアの質向上」に再投資
→ これも議事録に記載したほうが良い。
3.議事録に必ず書くべき「4つの柱」
厚労省通知では、委員会で検討すべき内容が明確に示されています。
① 利用者の安全およびケアの質の確保(4項目すべて必須)
1)見守り機器等から得られる情報を基に状態確認
2)状態変化に応じた活用方法の見直し
3)安全面で留意すべき利用者への定時巡回の検討
4)事故・ヒヤリハットの把握と分析、再発防止策
② 職員の負担軽減・勤務状況への配慮
1)ストレス・体調不安
2)負担が増えている時間帯
3)休憩時間・時間外勤務
→ アンケートやヒアリングで“データとして確認”する必要あり。
③ 介護機器の定期点検
1)日常点検の仕組み
2)メーカー点検(難しい場合は自主点検表の活用)
④ 職員研修
使用方法研修/ヒヤリハット共有/再発防止策
加算Ⅰの場合は「役割分担・業務効率化研修」も必須

機器によっては、上記項目を全て議事録に記載しておく必要はありませんが、必要な内容がきちんと検討、記載されていない場合は返戻のリスクが高まりますので注意が必要です。
4.返戻を防ぐための「議事録フォーマット」の考え方
添付資料のフォーマットは、筆者が作成したグループホームにおいて、センサーマット2枚を導入して生産性向上推進体制加算Ⅱを取得している際の議事録例となります。委員会で行うべき必要な検討のポイントを押さえ、返戻リスクを最小化する構成になっています。
この構成で書けば、運営指導で指摘される可能性は極めて低くなります。
生産性向上推進体制加算は、令和8年度の賃上げ施策と密接に結びつき、取得しないと賃金改善で不利になる時代に入りました。
せっかく時間を割いて委員会、議事録を作成してもポイントを押さえていないと返戻となってしまうこともありますので要点を抑えて、委員会の開催、議事録の作成を行って頂けばと思います。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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