介護処遇改善加算コラム

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生産性向上推進体制加算が返戻された場合の処遇改善加算の取り扱いについて

令和8年度の処遇改善加算では、施設系・居住系サービスに対して 「生産性向上推進体制加算の取得」または「社会福祉連携推進法人への加入」 を満たすことで、上位区分(加算Ⅰロ・加算Ⅱロ)を取得できる“特例要件”が設けられました。

この上位区分を取得すると、 1人あたり月7,000円(国の示す目安) の賃上げが可能となり、 多くの事業所にとっては 生産性向上推進体制加算そのものの収入よりも、 処遇改善加算の上乗せメリットの方が圧倒的に大きい のが実情です。

そのため、 「加算収入のために生産性向上推進体制加算を取る」 という事業所が増えるのは当然の流れと言えます。

しかし、ここで大きな疑問が生まれます。
仮に生産性向上推進加算が運営指導などによって返戻になってしまった場合、処遇改善加算の上位区分取得についてはどのように影響するのでしょうか?

ちなみに居宅サービス系におけるケアプランデータ連携システムについては加入が条件ではなく、利用することが必要となっており、実績報告書においても、利用実績について記載することとされております。

個人的には生産性向上推進体制加算を取得しようとしている時点で、処遇改善加算の要件を満たしたとして、返戻は影響しない扱いとして欲しいところですが…

生産性向上推進体制加算が返戻されたらどうなるのか?

筆者が厚生労働省に直接確認をしたところ返ってきた回答は「自治体の判断によります」 でした。正直、この回答は現場からすると非常にモヤモヤします。自治体判断に委ねられるということは、 地域によって扱いが変わる可能性があるということだからです。

■ 厚生労働省が“自治体判断”とした理由

厚労省としては、あえて余白を残しているとのこと。
その背景には、次のような考え方があるようです。

① 真面目に取り組んでいたのに、軽微な不備で返戻になったケース
→ 処遇改善加算まで取り消すのは酷であり、事業継続に影響する 
→ この場合は「情状酌量の余地あり」と判断される可能性が高い

例:委員会は開催していた。議事録も作成していた。しかし一部の項目が抜けていたため返戻
→ 悪意がないため、処遇改善加算は維持される可能性が高い

② 上位加算を取るためだけに“形だけ申請”した悪質ケース
→ 処遇改善加算も返戻対象にしたい考え

例:委員会を実施していない。機器も導入していない。実態がないのに加算申請だけした
→ 悪質と判断され、処遇改善加算も返戻される可能性が高い

③ 自治体が判断に迷う場合
→ 厚生労働省に相談する運用 になるとのこと
つまり、返戻=即アウトではなく、ケースバイケースで判断される  ということです。

■ 事業者が取るべき対策

事業者は返戻のないように生産性向上推進体制加算の内容をしっかりと理解しておく必要があります。特に返戻となりそうなところは、以下のポイントです。

  • 委員会の開催(3か月に1回)
  • 議事録の内容(4項目+加算Ⅰの追加要件)
  • 職員研修など

生産性向上推進体制加算が返戻された場合、処遇改善加算の上位区分がどう扱われるかは自治体判断となります。

いずれにせよ、返戻されないように生産性向上推進体制加算の要件を正しく理解し、確実に実施することが最重要となります。

関連コラム:生産性向上推進体制加算における委員会と議事録作成ポイント

この記事の執筆者

佐藤 慎也
介護経営コンサルタント

◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。 介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。 介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。

執筆者

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