介護制度改正・
介護報酬改定コラム

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住宅型有料老人ホームに「登録制」が導入!!
制度改正の背景と今後の影響について

社会福祉法等の一部を改正する法律が6月19日に成立、25日に公布されました。
これによって、住宅型有料老人ホームに「登録制」が導入されます。
これは、住宅型有料老人ホームの運営基準・人員基準・利用者保護を大幅に強化する制度であり、今後の事業運営に大きな影響を及ぼす内容です。

1.なぜ登録制が必要なのか?

登録制が導入される背景には、住宅型有料老人ホームの制度と実態の乖離があります。
住宅型有料老人ホームは本来、「介護サービスは外部事業所を利用する前提」で設計されています。

しかし、実際には次のような状況が見られます。
・併設・隣接の介護事業所への誘導
・限度額目一杯の過剰サービス
・入居者の介護事業者選択の制限
・ケアマネの中立性低下
など、制度の想定を大きく逸脱していました。

厚生労働省の資料でも、住宅型有料老人ホームの約80%が介護事業所を併設していると示されています。
その結果、住宅型有料老人ホームが介護付き有料老人ホームのように振る舞うケースが増え、制度上の均衡が崩れていることが課題となっていました。

2.登録制の対象となるホーム

登録制の対象は、
・中重度の要介護者など、特に入居者保護の必要性が高い者を入居対象とするホーム
とされています。
ポイントは、「現在の入居者の状態ではなく、ホームの入居対象・入居要件で判断される」という点です。
つまり、 今は軽度者しかいなくても、重度化後も住み続けられるホームは登録制の対象になるということです。

3.登録制で何が変わるのか?

登録制に移行すると、住宅型有料老人ホームは以下の規制を受けます。

・人員基準の導入
・事故対応・虐待防止措置の義務化
・区分経理の義務化
・経営情報の公表
・行政の指導監督強化(改善命令・事業停止・登録取消)など

これまで届出制であった住宅型有料老人ホームが、 結果として、介護付き有料老人ホームに近いレベルの規制を受けることになります。

4.登録制の施行時期

登録制の施行は「公布後2年以内」とされているため、住宅型有料老人ホームの登録制は令和10年度頃から段階的に始まる見込みです。既存ホームには1年6ヶ月の経過措置が設けられているため、本格的な運用は令和11〜12年度にかけて進むと見込まれます。

一方で、ケアプラン有料化が伴う登録施設介護支援は登録制の整備を踏まえて段階的に移行する仕組みとなっており、本格運用は令和12年度頃が現実的なタイミングになると見込まれます。

5.今後の事業者への影響

登録制の導入により、事業者は以下の対応が求められます。
・運営基準・人員基準の整備
・夜間体制の見直し
・区分経理の導入
・事故・虐待防止体制の強化
・重要事項説明の見直し
・関連事業所との関係性の整理
・登録申請の準備(電子申請対応)

運営基準や人員基準がどのように規定されるかによって現在のオペレーションから大きく変更となる可能性もあります。

これらの基準や要件については、今後の審議会で詳細が示される予定です。 内容が固まり次第、改めて情報をお届けしたいと思います。

この記事の執筆者

佐藤 慎也
介護経営コンサルタント

◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。 介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。 介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。

執筆者

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