介護処遇改善加算コラム

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介護職員等処遇改善加算の令和6年度配分ポイントについて

令和6年6月から一本化される介護職員等処遇改善加算。すでに計画書の提出期限(4/15)は過ぎておりますが、改めて令和6年度の配分ポイントをお伝えしたいと思います。

介護職員等処遇改善加算(新加算)の要件

  1. キャリアパス要件Ⅰ(任用要件・賃金体系の整備等)
    R6年は誓約対応可
  2. キャリアパス要件Ⅱ(研修の実施等)
    R6年は誓約対応可
  3. キャリアパス要件Ⅲ(昇給の仕組みの整備等)
    R6年は誓約対応可
  4. キャリアパス要件Ⅳ(改善後の年額440万円要件)
  5. キャリアパス要件Ⅴ(介護福祉士等の配置要件)
  6. 月額賃金改善要件Ⅰ(月給による賃金改善)
    R7年度から適用
  7. 月額賃金改善要件Ⅱ(旧ベースアップ等加算相当の賃金改善)
    ベア取得済は関係なし
  8. 職場環境等要件 R6年度中は区分ごと1以上、取組の具体的な内容の公表は不要

上記の要件で配分における条件は「4.」改善後の年額440万円要件と「6.」月給による賃金改善となります。ただし、「6.」の月額賃金改善要件Ⅰは R7年度から適用であるため、R6年度については考慮する必要がありません。考慮する必要がないため、R6年度の配分についての制約は「4.」のみとなります。「4.」は3加算の際の特定処遇改善加算を取る際の要件でした。既にクリアしている事業所さんの場合は関係ないですし、合理的な理由で440万円以上の人がつくれない場合も関係ありません。

令和6年度の処遇改善加算配分ポイントとは

上記の要件となるため、R6年度は従来のベア加算相当の月額賃金引上げ+補助金取得している場合はそれに準じた対応をしておけば配分は自由となります。配分が自由であるが故に一般的には一時金や賞与対応などに回すパターンになるかと思いますが、ここが今回落とし穴となる可能性があります。というのもR6年度の配分をR5年度に準じた形で行うと一時金や賞与に回す金額が増します。(※処遇改善加算等において月額賃金の引上げを最低限で行っている場合)これは加算率が増えているため、多くの事業所で加算総額が増えるからです。それ自体は喜ばしいことですが、月額賃金の引上げを最低限でやっており、一時金や賞与で対応をしているとR7年度から月額賃金への配分がR5年度の4倍以上の形となります。そのため、R6年度で一時金や賞与に回した原資がR7年度は月額賃金への配分比率を高める必要があるため、R7年度の一時金や賞与に回せる額が一気に目減りします。

勿論、加算総額自体が減るわけではないのでそれは安心して頂ければと思いますが、配分方法としてきちんと計算しておかないと職員から賞与が減ったと言われる可能性があります。
令和6年度の配分パターンは下の図のようにいくつか検討することが可能となります。
現在の渡し方と令和7年度以降の渡し方を踏まえた上で令和6年度の配分を検討して頂くと良いです!!

この記事の執筆者

佐藤 慎也
介護経営コンサルタント

◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。 介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。 介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。

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