介護処遇改善加算コラム
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「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」
Q&Aの重要ポイント整理
厚生労働省から令和7年1月22日に介護保険最新情報Vol.1462「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業に関するQ&A(第1版)」が公表されました。事業者が実務で迷いやすい点が丁寧に整理されており、申請準備の前に必ず確認しておきたい内容です。ここでは、特に現場に関係するポイントを抽出して解説します。
計画書・実績報告書の提出時期は都道府県ごとに異なる
Q&Aでは「提出受付開始時期・提出期限は都道府県が設定」と明記されています。
今年も同様に、都道府県ごとにスケジュールが異なるため、必ず自県の発表を確認する必要があります。
賃金改善・職場環境改善の実施期限
● 令和8年3月末までに補助金を受け取った場合
→ 令和7年12月〜令和8年3月末までに実施
● 令和8年4月以降に補助金を受け取った場合
→ 令和7年12月〜各自治体が定める実績報告期限までに実施
事業者としては、後者(4月以降支給)の方が実施期間に余裕があり望ましい状況ですが、都道府県次第となります。
基準月の選択は柔軟に可能
原則は「令和7年12月」ですが、例外として以下が認められます。
・12月の報酬が極端に低い(感染症・大規模改修など)
・12月分が月遅れ請求
→ 12月〜翌3月の中で事業所が選択可能
2月は稼働日が少ないため、実質は12月・1月・3月のいずれかが現実的となります。売上が高い月を選べば補助額も増えるため、基準月の選択は非常に重要です。
法定福利費の事業主負担も賃金改善に含めてよい
処遇改善加算と同様に、基本給等の賃金改善、それに伴う事業主負担(社会保険料等)も補助対象に含めてよいと明記されています。
算出方法についても、処遇改善加算に倣えば、合理的な方法に基づく概算によることができるお話となります。基本給の引上げ、手当、賞与など配分を複雑にしていくと法定福利費等の計算がややこしくなりますが、合理的な方法に基づく概算とは、例えば1,000万円の処遇改善加算額だった場合に1,000万円の賞与を渡したら法定福利費がいくらかかるかで算出したりする方法となります。
地域包括支援センターも対象になる場合がある
「介護予防支援事業者として指定を受けている場合」は対象。
指定の有無が判断基準となります。
研修費の範囲
対象となる研修費
・職場環境改善に資する研修
・外部研修・内部研修どちらも可
対象外
・法定研修(虐待防止研修など)→「義務付けられた研修」は趣旨が異なるため不可
職場環境改善経費の範囲
対象
・介護助手の募集費(求人広告・チラシ・紹介手数料)
・専門家の派遣費
・会議費
・職場環境改善に関する研修費
対象外
・介護テクノロジー等の機器購入費(PC・タブレット等含む)
補助金の使い方は大きく5パターンにわけることができます。
- 人件費(基本給・一時金など)
- 研修費
- 介護助手の採用費
- コンサル費
- 会議費
ただし、実績報告までに支払いを完了しておく必要がある点に注意が必要です。
次のコラムでは、実務で特に重要となる「ポイント整理編」をお届けします。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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