介護処遇改善加算コラム
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令和7年度補正予算は過去最大規模へ
介護分野に投入される4つの支援策とは
2025年12月16日、令和7年度補正予算が可決されました。医療分野には1兆368億円、介護分野には2,721億円という、過去最大級の財源が投入されることになりました。介護事業者にとっては、今後の経営や人材確保に直結する重要な内容が多く含まれています。
本コラムでは、介護分野における「4つの支援策」のうち、特に事業者への影響が大きいポイントを整理します。
介護分野における4つの支援策
- (ア)介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援 [1,920億円]
- (イ)介護事業所・施設のサービス継続支援事業[510億円]
- (ウ)介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業[220億円]
- (エ)訪問介護・ケアマネジメントの提供体制確保支援事業[71億円]
今回は、特に影響が大きい「(ア)介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援」を中心に解説します。
介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援(1,920億円)
今回の補正予算の最大の柱が、介護従事者への賃上げ支援です。
● 幅広い職種が対象に
これまで対象外だったケアマネジャー、訪問看護、訪問リハビリも新たに対象となり、介護従事者全体を支援する内容に拡大されました。
● 実質は「令和6年度補正予算の継続版」
多くの事業者が昨年取得した「介護人材確保・職場環境改善等事業」とほぼ同じ仕組みで、支給要件も類似しています。ただし細かな要件は異なるため、今年も必ず確認が必要です。
申請は都道府県ごとに開始時期が異なる
今回の補助金の実施主体は都道府県です。
昨年(令和6年度補正予算)では、
・静岡県だけが2月中旬〜3月中旬で受付(全国最速)
・他の都道府県は多くが3月中旬~4月15日前後で受付
というバラつきがありました。今年も同様に、都道府県ごとに受付時期が異なる見込みです。事業者は必ず自事業所の都道府県の発表を確認する必要があります。
報酬の基準月は「令和7年12月」
報酬額に6か月分を乗じて補助金が算出される仕組みは昨年と同じです。
基準月は原則令和7年12月となりますが、コロナやインフル等で売上が極端に低い場合は別月を選択可能です。
補助金は「3つの区分」で金額が変わる
補助金は次の3つの区分で構成されます。
(1)幅広い賃上げ支援(1万円)
・ほぼ全事業所が取得可能
・処遇改善加算を取得していればOK(誓約でも可)
(2)協働化・生産性向上に取り組む事業者への上乗せ(5千円)
・下記3要件のいずれかを満たすこと(誓約対応も可)
ケアプランデータ連携システム加入
生産性向上推進体制加算の取得
社会福祉連携推進法人への加入
(3)職場環境改善の取組(4千円)
・昨年の補助金を取得していればほぼ満たす
・多くの事業所が取得可能

最大19,000円はサービス種別で差がある
国は「最大19,000円」と説明しますが、実際にはサービス種別ごとに交付率が異なり、グループホームと介護医療院では約16%の差が生じます。現場の期待値を上げすぎないよう注意が必要です。
令和7年度補正予算は、介護分野にとって過去最大級の支援内容となりました。
特に賃上げ支援は、対象職種の拡大、3区分による柔軟な支援、都道府県ごとの受付など、事業者が押さえるべきポイントが多くあります。
次回のコラムでは、 「補助金の3区分の詳細と、訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援が新たに対象となった背景」をわかりやすく解説します。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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