介護制度改正・
介護報酬改定コラム
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令和6年度介護報酬改定のポイント④
リハビリ・栄養・口腔ケアの一体的取組
1月22日に厚労省から令和6年度介護報酬改定における改定事項の資料が公表されました。今回は公表された資料や今までの審議会の内容を基に筆者が思う今回の改定ポイントを何回かにわけて紹介したいと思います。
ポイント④リハビリ・栄養・口腔ケアの一体的取組
今回の令和6年度介護報酬改定において基本的な視点の二番目に『自立支援・重度化防止に向けた対応』をあげております。その中の中項目としてリハビリ・栄養・口腔ケアの一体的取組等を掲げおります。令和3年度介護報酬改定においても『自立支援・重度化防止の取組の推進』の項目にリハビリ・栄養・口腔の取組の連携・強化が掲げられておりましたが今回はより具体的に一体的な取組を行った場合に加算で評価する形としています。
リハビリ・栄養・口腔ケアの一体的取組を評価する加算
- 個別機能訓練加算(Ⅲ)20単位/月:特養・地域密着型特養
- リハビリテーションマネジメント計画書情報加算(Ⅰ)53単位/月:老健
- リハビリテーションマネジメント加算(ハ)793単位/月:通リハ
- 単位は同意日の属する月から6月以内 6月超は473単位/月
今後益々重要視されるリハビリ・栄養・口腔ケアの一体的取組
元々、自立支援・重度化防止の観点で考えた際にリハビリ、栄養、口腔ケアはそれぞれ重要な立ち位置を占めております。そのため今回の改定においても、例えば特定施設における口腔衛生管理体制加算(算定率43.67%)を廃止し、算定要件の取組を一定緩和した上で、全ての特定施設で実施するように基本サービスとして行うことにしたり、介護保険施設においては入所時及び入所後の定期的な口腔衛生状態・口腔機能の評価の実施を義務付けたりしております。
では何故、単体の取組だけではなく一体的取組を評価したかと言えば、リハビリで効果を上げるためには単にリハビリをすれば良いというわけではなく、そこにはきちんとした栄養の摂取が必要となり、きちんとした栄養の摂取をするためには口からの経口摂取が最も効果が高いという結果が出ているためです。そのため、リハビリ・栄養・口腔ケアの三位一体となる取組をすることが自立支援・重度化防止には最も良いということで一体的取組を評価するという形にしております。
国からすれば自立支援・重度化防止が進むことは、利用者さんだけの為ではなく、介護給付費の抑制という点からしても非常に重要な位置を占めます。ということで、今回の改定で一体的取組を評価する形となりましたが今後もこの観点は非常に重要視されるでしょう。
このように国は大規模化を推奨してきている事について事業者さんは理解をし、対応をしていく必要が求められております。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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