介護業界関連コラム
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令和5年度補正予算で生産性向上に
資する介護ロボット・ICTの導入を支援
令和5年11月29日に令和5年度補正予算が成立しました。この補正予算のなかには介護事業者さんとして見逃せない項目が入っております。それが【介護・障害福祉分野へのICT・ロボットの導入等による生産性向上や経営の協働化等を通じた職場環境の改善 】介護サービス事業者の生産性向上や協働化等を通じた職場環境改善事業です。
こちらは令和5年度の補正予算額として351億円もの金額がついております。介護人材不足、生産人口の減少が顕著な中で介護現場の生産性向上は国としても後押しをしなければいけない事項として、予算編成のなかで財務省がかなり金額をプッシュしてくれたという事業となっております。
支援メニュー
現在、公表されている資料に記載されている支援メニューは以下の三点となっております。
- 生産性向上の取組を通じた職場環境改善
- 生産性向上に資する介護ロボット・ICTの導入や更新・事業所の業務効率化に向けた課題解決を図るための業務改善支援及びこれと一体的に行う介護ロボット・ICT の導入や更新に対する支援
- 地域全体で生産性向上の取組を普及・推進する事業の実施
- 地域の複数事業所における機器の導入に向けた研修や、地域のモデル施設の育成など、都道府県等が主導して面で生産性向上の取組を推進
- 都道府県等が主導して、ケアマネ事業所と居宅サービス事業所の間で交わされるケアプランデータ連携システム等の活用を地域で促進し、データ連携によるメリットや好事例を収集
- 小規模事業者を含む事業者グループが協働して行う職場環境改善
- 人材募集や一括採用、合同研修等の実施、事務処理部門の集約、協働化・大規模化にあわせて行う老朽設備の更新・整備のための支援等
この中でも注目は(1)①です。金額の負担割合は国・都道府県3/4、事業所が1/4となっておりますので介護ロボット導入支援事業よりも事業所負担が少ない形となっております。
※介護ロボット導入支援は要件を満たせば事業所負担が1/4となる場合もあります。
資料だけは詳細事項はわかりませんが、厚生労働省に確認すると内容的には介護ロボット導入支援とほとんど同じということでした。
実施主体は都道府県、実施期間は令和6年度中
この介護サービス事業者の生産性向上や協働化等を通じた職場環境改善事業ですが、実施主体は都道府県(都道府県から市町村への補助も可)となっております。つまりやるもやらないも都道府県次第となります。国としてはメニューを用意したので執行は都道府県へという状態になっており、厚生労働省の担当官も是非、皆さんに使って頂き、実績をあげて頂くことで補正予算でなく正式な予算への移行にして頂ければというような発言もしておりました。令和5年度補正予算となりますので令和6年度中までに実施する必要があります。
皆さんからすればやるもやらないも都道府県次第なら待ちの状態になってしまうかと思いますが、本稿をお読みの皆さんが行政に問い合わすことで、望んでいる事業者さんが多いという事を実感して動く都道府県もあるかと思います。
都道府県からメニューが出た際はどうぞ有効的な活用をして頂ければと思います。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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