介護業界関連コラム

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令和6年度ユニット型特養の建設費について

平米単価は調査以降過去最高の342千円

令和7年7月22日に福祉医療機構より2024年度 福祉・医療施設の建設費についてというタイトルでプレスリリースが発表されました。
この調査は2008年度(平成20年度)から開始されており、福祉施設(ユニット型特別養護老人ホーム及び保育所・認定こども園)ならびに医療施設(病院)の建設費の状況を取りまとめたものとなっております。

ユニット型特養の平米単価はここ十数年上昇傾向が続いており、全国平均で令和6年度はそれまで過去最高であった令和5年度の342千円を45千円も上回る387千円になりました。2013年度(平成25年度)が232千円であったため約1.7倍上昇しております。

地域ブロック別でみると北海道・東北448千円、首都圏396千円、全国387千円、近畿375千円、関東・甲信越363千円、中部・北陸347千円、九州・沖縄322千円となっており、北海道・東北が全国で一番高い数値となっておりますが、これは物件規模や物件件数によって平均が上がることがあるので参照値程度で見てもらうほうが良いです。令和5年度は首都圏が一番低い数値ですが、これは地域密着型特養の実績がなかったため、平均値が下がったと推測されていました。

令和6年度ユニット型特別養護老人ホームの定員1人当たり建設費は19,556千円

令和6年度の定員1人当たり建設費は全国平均で19,556 千円となっており、前年度から 4,476千円上昇しており、過去最高を記録しております。令和6年度は平米単価、1 人当たり面積ともに上昇したため、1 人当たり建設費が大幅に上昇した形となりました。

出典資料:福祉医療機構 2024年度 福祉・医療施設の建設費について

グラフの建設費の推移をみると2013年度(平成24年度)が11,615千円、2024年度(令和6年度)が19,556千円と約1.7倍となっております。この間、介護報酬改定はマイナス改定やプラス改定がありながら、2024年度段階であれば2013年度の単位のほうが高い形となっております。近年の人件費の高騰や水光熱費などの物価高騰を考えると経営環境が如何に厳しくなっているかが良くわかります。

この記事の執筆者

佐藤 慎也
介護経営コンサルタント

◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。 介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。 介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。

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