介護処遇改善加算コラム

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令和8年度処遇改善加算Q&A 
同意書を取るべき‼包括支援センターからの分配金について

令和8年度の処遇改善加算では、地域包括支援センター(以下、包括)と、介護予防支援・介護予防ケアマネジメントを委託されている居宅介護支援事業所(以下、居宅)との関係が、例年以上に重要なテーマになっています。
特に3/13に発出されたQ&Aの問2-5-3/問2-5-4 の内容は、包括と居宅の双方に影響するため、委託契約がある法人は必ず理解しておく必要があります。

1.問2-5-3:委託先の居宅は処遇改善加算の対象になるのか?

結論:対象になる

包括が処遇改善加算を算定している場合、介護予防支援費・介護予防ケアマネジメント費のうち、原案作成委託料に処遇改善加算分が上乗せされるため、その分については 委託先の居宅が賃金改善を実施する必要があるとされています。
つまり、包括が処遇改善加算を算定。委託先の居宅に支払う委託料に加算分が含まれる。よって居宅もその分の賃金改善を行う義務が生じるという構造です。

実績報告については、包括は、自分の賃金改善額、委託先に支払った処遇改善加算相当額を合算して実績報告書に記載します。
居宅側は、自身が行った賃金改善額、または包括から受け取った処遇改善相当額を把握し、包括へ報告する必要があります。

2.問2-5-4:委託先の居宅も処遇改善加算の要件を満たす必要があるのか?

結論:満たす必要はない

処遇改善加算の申請者は「包括」であり、要件を満たすのも包括側で問題ありません。居宅は、特例要件、加算Ⅳの取得に準ずる要件を満たす必要はありません。

3.重要ポイント:実は「柔軟配分」が認められている

処遇改善加算のQ&A(問2-5-3)には書かれていませんが、同日に公表された 「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業 Q&A(第2版)」 には、次のように明記されています。

居宅が「賃金改善を希望しない」場合
→ 包括側で柔軟に配分してよい

つまり、居宅が「微々たる金額なのでいらない」と辞退。
その場合、包括がその分を自事業所の賃金改善に回してよいという扱いです。

筆者が3月23日にコールセンターへ確認したところ、処遇改善加算でも同様に柔軟配分で構わないという回答が得られています。

4.将来のリスク回避のため、お互いに同意書を取得しておく‼

柔軟配分が認められているとはいえ、口頭で「いらない」と言われただけで配分を変えるのは非常に危険 です。
理由は3つ。

① 言った・言わない問題が必ず発生する
担当者が変われば「そんなこと言っていない」となる可能性が高い。
② 金銭の授受が絡むため、行政処分のリスクがある
③ 実績報告で整合性が取れなくなる

だからこそ包括と居宅の間で 書面で合意を残すことが極めて重要です。
同意書に入れるべきポイントは3つ

1.居宅が「配分を希望する/しない」を明確に残す
2.辞退した場合の扱い(柔軟配分)を明文化する
3.包括が柔軟配分しても通知に沿った扱いであることを明記する

これにより、トラブル防止。実績報告の整合性確保。行政指導への備えが可能になります。

この記事の執筆者

佐藤 慎也
介護経営コンサルタント

◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。 介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。 介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。

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