介護処遇改善加算コラム
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令和8年度処遇改善加算計画書の作成手順とポイント
令和8年度の処遇改善加算計画書は、厚生労働省が3月19日に公開した公式動画(約14分)でも解説されている通り、以前より大幅に作成しやすくなっています。ただし、入力手順を間違えるとエラーが出たり、要件判定が×になったりするため、『正しい順番で入力すること』が最重要ポイントです。
本コラムでは、計画書作成の流れと注意点を、実務で迷わないレベルまで噛み砕いて解説します。
1.まず大前提:入力は「タグの順番」ではなく「指定された順番」で行う
計画書は以下の4つのシートで構成されています。
・基本情報入力シート
・別紙様式 2-1(総括表)
・別紙様式 2-2(4・5月分)
・別紙様式 2-3(6月以降)
Excelのタブは左から基本情報 → 2-1 → 2-2 → 2-3の順に並んでいますが、これは 絶対に無視してください。
正しい入力順は次の通りです。
① 基本情報入力シート
② 別紙様式 2-2
③ 別紙様式 2-3
④ 別紙様式 2-1(総括表)
この順番を守らないと、自動判定が×になる。必要セルが色付かない。計算式が反映されない。といったトラブルが起こります。
2.新たに対象となったサービスは「2-2は不要」
訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援・介護予防支援は、6月から算定開始のため、4・5月分の 2-2 は記入不要 です。2-2の該当欄はグレーアウトされており、入力できない仕様になっています。
3.色付きセルだけ入力すればOK
計画書は「色付きセルに入力すると、次に必要なセルが自動で色付く」仕組みです。入力ルールとしては、
色がついたセルだけ入力する。左から順に入力する(飛ばすとエラー)
濃いオレンジのセルに「×」が出たら要件未達。未入力欄を埋めると「○」に変わる。
この仕組みのおかげで、要件の自動判定が非常にわかりやすい作りになっています。
4.別紙様式 2-3(6月以降)は全サービスが対象
2-3は、従来の処遇改善加算対象サービス、新たに対象となった訪問看護・訪問リハ・居宅介護支援などすべてが記入対象です。ここで特に注意すべきは「令和8年度特例要件」の選択欄です。
・すでに ケアプランデータ連携システムを利用している
・すでに 生産性向上推進体制加算を取得している
・すでに 社会福祉連携推進法人に所属している
これらに該当する場合は「要件を満たす」 を選択します。
まだ取り組んでいない場合は「誓約する」 を選択します。
誓約で算定可能なのは今年度の大きな特徴です。
5.最後に 2-1(総括表)で「丸判定」になるよう調整する
2-2・2-3の入力が終わったら、最後に総括表(2-1)へ戻ります。ここで、加算見込額や月額賃金要件による額を入力し、「○」がつくように調整します。
キャリパス要件Ⅳの年額賃金要件440万円などはすでに要件を満たしている事業所ではチェック欄がグレーアウトされ、入力不要の状態で表示されます。
まとめ
計画書は「大まかな数字を入れれば完成する」ため、作成自体は難しくありません。しかし本当に重要なのは、実際の配分が月額賃金要件を満たしているかという点です。これは計画書とは別に、基本給の引上げ、毎月の手当、賞与・一時金、法定福利費などを正しく振り分ける必要があります。特に令和8年度は加算率が上がったため、月額賃金要件については、昨年クリアしていた事業所でも今年は不足する可能性が高い点に注意が必要です。計画書は『提出用の形式』、配分は『実務の本質』として、両方をしっかり押さえておく必要があります。
次回のコラムでは、『令和8年度処遇改善加算Q&A 法定福利費の算出方法について』について解説します。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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