介護処遇改善加算コラム
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令和8年度処遇改善加算
現行の処遇改善加算の対象サービスは月額賃金要件に気を付けて‼
令和8年度の処遇改善加算では、加算率が大幅に引き上げられた一方で、「月額賃金要件」を確実にクリアできているかどうかが、これまで以上に重要になります。特に、すでに処遇改善加算を取得している事業所は、加算率アップにより必要額が増えるため、昨年度のままでは要件を満たさないケースが出てきます。
本コラムでは、加算率の変化と月額賃金要件の注意点を、資料の内容を踏まえて整理します。
1.加算率が大幅アップ
令和8年度は多くのサービスで加算率が引き上げられています。
訪問介護:加算Ⅰ(旧)24.5% →(新) 27.0%(+2.5%)
通所介護:加算Ⅰ(旧)9.2% → (新)11.1%(+1.9%)
グループホーム:加算Ⅰ(旧)21.0% → (新)23.6%(+2.4%)
特養:加算Ⅰ(旧)14.0% →(新) 16.3%(+2.3%)
さらに、上位区分(Ⅰロ・Ⅱロ)を取得すると、訪問介護で28.7%など、より高い加算率が適用されます。
一方、新たに対象となったサービスは以下の通りです。
居宅介護支援:2.1%、訪問看護:1.8%、訪問リハ:1.5%
これらは月額賃金要件の対象外ですが、従来サービスはすべて対象となります。
2.月額賃金要件とは?
月額賃金要件は、令和7年度から適用されているルールで、「加算Ⅳの加算額の1/2以上を、基本給または毎月支払う手当で支給する」というものです。
例:訪問介護(加算Ⅳ=14.5%)→ 半分の7.2%相当を毎月の賃金で支払う必要がある。
重要なのは、加算ⅠやⅡを取得していても、基準は加算Ⅳの半分で固定されるという点です。
3. 加算率アップにより昨年クリアでも今年は不足の可能性

上の図の例を見て頂くとおわかりのように、
令和7年度 加算Ⅳ=9.0% → 月額賃金要件=1,620万円/年
これが、加算率アップによって
令和8年度 加算Ⅳ=11.3% → 月額賃金要件=2,016万円/年
差額 約396万円アップとなります。
つまり、昨年は要件を満たしていた事業所でも、加算率アップによって、昨年のままでは月額賃金要件を満たさない可能性があるということです。
4.実務でやるべきことは「現在の配分を1〜5に振り分けて確認」

上記の表にあるように、処遇改善加算の配分は次の5つに分類されます。
1.基本給の引上げ分(交付金時代からの昇給含む)
2.処遇改善加算手当(毎月支払う手当)
3.一時金・賞与
4.法定福利費
5.その他手当(年末年始手当など)
このうち、1と2が月額賃金要件の対象です。事業所は、現在の支給内容を1〜5に振り分け、月額賃金要件を満たしているか確認。不足していれば、基本給または毎月手当を増額という流れでチェックする必要があります。
令和8年度の処遇改善加算は、加算率が大幅アップしたため、月額賃金要件については、「昨年クリアしていたから今年も大丈夫」ではないという点が最大の注意ポイントです。自事業所の配分状況を必ず確認し、必要に応じて基本給や毎月手当の調整を行うようにしてください。
キャリパス要件Ⅳ賃金年額440万円については過去コラムをご参照
次回のコラムでは、『令和8年度処遇改善加算計画書の作成手順とポイント』について解説します。
この記事の執筆者
佐藤 慎也
介護経営コンサルタント
◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。
介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。
介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。
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