介護業界関連コラム

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地域区分の見直しが介護事業に与える衝撃
七区分→五区分の再編が迫る現実とは

令和8年12月26日に公表された「地域区分の見直しに向けた進め方」は、介護事業者にとって極めて重要なテーマです。地域区分は介護報酬に直結するため、変更されれば事業の収益構造そのものが揺らぎます。特に支給割合が下がる地域にとっては、経営の死活問題になりかねません。

地域区分は公務員の地域手当に準拠している

介護報酬の地域区分は、公務員(国家・地方)の地域手当に合わせて設定されています。これまでは1級地〜7級地+その他(計8区分)という仕組みでしたが、国家公務員の地域手当が七区分 → 五区分へ再編され、さらに市町村単位から都道府県単位へ広域化されるという大きな見直しが行われました。この変更が令和7年度から段階的に実施されており、介護側も令和9年度の介護報酬改定に向け、市町村の意向を確認しつつ、検討を進めざるを得ない状況です。

新しい地域区分(国家公務員)

見直し後の支給割合は以下のとおりです。

1級地:20% 2級地:16% 3級地:12% 4級地:8% 5級地:4%

一方、現在の介護報酬の地域区分は
1級地:20% 2級地:16% 3級地:15% 4級地:12% 5級地:10% 6級地:6% 7級地:3%
となっており、特に3級地・4級地・5級地が大きく影響を受ける可能性があります。

例えば、現在5級地(10%)の地域が、新4級地(8%)に分類されるというケースでは、級地は上がるのに支給割合は下がるという“逆転現象”が起きます。これは事業者にとって大きな痛手であり、報酬単価の低下はそのまま経営悪化につながります。

市町村ごとに調整可能だが、下がる地域は要注意

地域区分の見直しにあたっては、下記の経過措置が用意されています。

・市町村の意向を確認
・3年かけて段階的に引き上げ/引き下げ
・従前の支給割合を維持する設定も可能

ただし、最終的に地域区分が変わる可能性は高く、下がる地域は本当に危険です。令和6年度の介護報酬改定でも、実際に3市町村が地域区分を引き下げられ、経営に大きな影響が出ました。

今後のスケジュール

• 令和8年2〜3月:市町村への意向調査
• 令和8年度以降:介護給付費分科会で議論
• 令和8年末頃:令和9年度からの地域区分を市町村へ提示
つまり、令和9年度改定で地域区分が変わる可能性が極めて高いということです。

事業者が今からできること

地域区分は事業者の努力で変えられるものではありません。
しかし、次の点は強く意識しておく必要があります。

• 自治体が地域区分を下げようとしていないか注視する
• 必要であれば市町村に意見を伝える(「下がれば経営が立ち行かない」という声は重要)
• 令和9年度改定に向けて、財務状況の見直しを進める
• 地域区分が下がった場合のシミュレーションを行う
特に、地域区分が下がると報酬が一気に減るため、早めの準備が欠かせません。

地域区分の見直しは、介護報酬に直結する重大テーマです。上がる地域は恩恵を受けますが、下がる地域は経営が揺らぐほどの影響を受けます。今後、令和9年度改定に向けて議論が本格化します。事業者としては、動向を注視しつつ、必要に応じて自治体へ働きかける姿勢が求められます。

この記事の執筆者

佐藤 慎也
介護経営コンサルタント

◆プロフィール
組織の仕組みづくりや人材教育などを得意分野とし、介護保険法はもちろんサービス付き高齢者向け住宅、住宅型有料老人ホームなどの制度に精通。 介護経営コンサルタントとして、今までに50法人以上のコンサルティング実績を持ち、自らも介護事業の運営に携わっていたため、経営者からスタッフまで、それぞれの立場にあった指導・提案をすることで圧倒的な支持を得ている。 介護業界の動向を解説したメルマガの発行やコラムの執筆を行いながら、全国各地にて経営者・管理者向けのセミナーやスタッフを対象にした研修まで幅広い分野で年間100本以上の講演を行う。

執筆者

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